海外FXのロスカットとは、一定のレベルまで含み損が増えたときにポジションが強制決済されるシステムのこと。
トレーダーが借金を背負うリスクがない一方で、予期せぬタイミングでポジションが決済され大損するリスクがあるんです。
そこでこの記事では、海外FXのロスカットの仕組みを徹底的に解説していきます。
海外FXを始めたい人に向けて業者のおすすめをまとめて紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
▶海外FXおすすめ業者ランキング一覧!初心者からプロが使う14社の人気口座を比較
海外FXのロスカットとは?
海外FXのロスカットとは、一定水準以上の含み損が発生したときに強制的にポジションが決済されるシステムです。
決済する前の未確定の損失を含み損といい、損切りをしないと大きな損失となります。
トレーダーの損失拡大を防ぐために、すべての海外FX業者にロスカットシステムが搭載されています。
国内FXにもロスカットシステムが搭載されていますが、ロスカットが発生するタイミングに違いがあります。
違いについては、後で詳しく解説しています。
ロスカットはトレーダーの資金を守る安全機能
ロスカットは、トレーダーの必要最低限の資金を守る役割があります。
海外FXは1,000倍や2,000倍というハイレバレッジを効かせて取引できる点から、相場変動によって大きな損失が発生するリスクがあります。
ロスカットにより強制的にポジションが決済されるのは、損切りしなければいけない絶対ラインです。
その結果ポジション決済による含み損の支払いが発生しますが、最低限の口座資金が手元に残るようにロスカット水準が設定されています。
業者によってロスカットルールは異なる
海外FXのロスカットは、業者や口座タイプによってロスカットルールが異なります。
ロスカットが発生する条件に違いがあるため、自分が選んだ業者や口座タイプをチェックしましょう。
海外FXでロスカットが発生するタイミング
海外FXでロスカットが発生するタイミングを解説します。
前述したようにロスカットの条件は業者や口座タイプによって異なりますが、ここでは例として最も多く採用されているロスカットルールを紹介します。
証拠金維持率が20%を下回ると強制ロスカット
多くの海外FX業者が採用するロスカットルールが「証拠金維持率が20%を下回ると強制ロスカット」です。
ロスカット水準20%を採用している主な海外FX業者は以下。
海外FX | ロスカット水準 |
---|---|
XM | 20% |
TitanFX | 20% |
AXIORY | 20%(マックス口座のみロスカット水準0%) |
FXGT | 20% |
HFM | 20% |
日本人トレーダーから高い人気を誇る主要海外FX業者の多くが、証拠金維持率20%以下を基準としています。
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは、取引に必要なポジション必要証拠金に対する、実際に運用できる有効証拠金の割合を指します。
必要証拠金と有効証拠金が同額の場合、証拠金維持率は100%。
必要証拠金に対して有効証拠金が減れば減るほど、証拠金維持率はどんどん減少していきます。
海外FXはハイレバレッジを効かせることができるため、有効証拠金以上の取引が可能です。
しかし証拠金維持率は、必要証拠金と実際の元金である有効証拠金の割合で算出されるので気をつけましょう。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率の計算方法は以下。
- 証拠金維持率 = 有効証拠金(口座残高 + 含み損益)÷必要証拠金 × 100
証拠金維持率を計算できれば、あとどのくらい有効証拠金が減少すればロスカットが発生するかを把握できるようになります。
例えば、1ロットあたり必要証拠金が15,000円の通貨ペアを取引する場合、
- 有効証拠金=20(証拠金維持率)×15000(必要証拠金)÷100
上記で計算すると、含み損含めて有効証拠金が3,000円に減少したタイミングでロスカット水準20%となりロスカットが執行されます。
ロスカットが間に合わなった場合ゼロカットが執行
急激な価格変動により、証拠金維持率20%を大きく下回る含み損が発生するケースもあります。
最悪の場合、有効証拠金を超える決済が発生しマイナス(追証)が発生します。
しかし海外FXでは、追証が発生する場合に業者側がマイナスを補填してくれるゼロカットシステムが執行。
ロスカットが間に合わないような大きな含み損を抱えても、ゼロカットによって有効証拠金は0円以下にはなりません。
どんなに大損でもマイナスを抱えることはないのでご安心ください。
海外FXのロスカットの注意点
ここまで、海外FXのロスカットの仕組みを詳しく解説してきました。
トレーダーの資金を守るために採用されているロスカットシステムですが、ロスカット=資金を失うことに変わりはありません。
改めてロスカットの注意点を確認しておきましょう。
ロスカットを安心材料にしてはいけない
海外FXのロスカットは、トレーダーが借金を背負わないための最終防波堤のようなシステムです。
「まだ含み益が発生するかも」とポジションを保有し続けることで、予期せぬタイミングでロスカットが執行され想定外の損失が発生します。
ロスカットを安心材料とするのではなく、含み損が発生したらロスカットにならないように適切なタイミングで損切りするようにしましょう。
ロスカット水準は低ければいいわけではない
ロスカット水準は低ければ低いほどいいわけではありません。
海外FXには、ロスカット水準0%の口座タイプを提供する業者もあります。
ロスカット水準が低ければ、有効証拠金が0円になるギリギリまで含み損に耐えることが可能です。
しかしロスカット水準が低い環境での取引は、最悪の場合、過度に大きなレバレッジを効かせたトレードを繰り返したり、損切りができずに何度もゼロカットシステムが執行されたりします。
これらは決して健全なFX取引が行える精神状態ではありません。
初心者の方は特に、ロスカット水準を意識したトレード行い海外FXとの適切な向き合い方を学ぶのがいいでしょう。
海外FXでロスカットを防ぐ方法
強制的にポジションが決済されるロスカットは、FX取引において未然に防ぐのがベストです。
安定した取引を行うために、ここからは海外FXでロスカットを防ぐ方法を解説します。
レバレッジを見直す
海外FXでロスカットの執行を防ぐために、まずはレバレッジを見直しましょう。
海外FXはハイレバレッジが魅力の一つで、1,000倍や2,000倍のレバレッジを効かせて取引が可能です。
そのため有効証拠金以上の取引が可能となり、大きな利益を狙うことができます。
しかし一方で含み損が発生するリスクも高くなるため、有効証拠金が少ないのにハイレバレッジを効かせてトレードを繰り返すと、ロスカットが執行されるリスクも高くなります。
自分の資金と相談しながら、適切なレバレッジを設定してください。
不要なポジションを持ち過ぎない
不要なポジションを持ち過ぎないようにするのも、海外FXでロスカットを防ぐために重要です。
長期戦略のトレーダーの中には複数のポジションを保有して、長い目で含み益の発生を期待する方もいるでしょう。
そのため、少しの含み損を抱えたポジションを多数保有するケースが発生しやすくなります。
含み損を抱えたポジションが増えれば、当然ロスカットのリスクが高まります。
損切りの判断が間に合わなくなる危険性もあるため、目が届く範囲でロットを調整して不要なポジションは持ち過ぎないようにしましょう。
両建て取引をする
両建て取引をすることで、ロスカットを防ぐこともできます。
両建ては、買いポジションと売りポジションを同時に保有する手法のこと。
両方のポジションを保有することで、必要証拠金が0円になり損失額を固定できます。
その結果、ロスカットのリスクを一時的に下げるのに効果的です。
初心者の方は、最初から両建てのポジションを保有しておくと安心して取引ができるでしょう。
ただ、多くの海外FX業者が両建て取引にルールを設けています。
- 複数人での両建て取引
- 複数口座間での両建て取引
- 他業者間での両建て取引
以上の規約に触れた場合、口座凍結などのペナルティが執行されるため事前に業者が定める禁止行為を確認してください。
マージンコールを把握する
マージンコールとは、証拠金維持率の低下をお知らせする機能です。
多くの海外FX業者が採用している機能で、ロスカット水準に達する前にマイページに警告メッセージが表示されたりメールで通知が届きます。
例えばXM Tradingは、証拠金維持率が50%を下回るとマージンコールが発生します。
マージンコールが発生したら、追加入金や損切りを行うなどしてロスカットを防ぎましょう。
追加入金をする
追加入金をして証拠金維持率を上げるのも、ロスカットを防ぐのに効果的です。
追加入金のタイミングとして、マージンコールをきっかけにするのも一つの手でしょう。
追加入金できる資金がない場合は、損切りを検討してください。
損切りルールを決める
海外FXでロスカットを防ぐために、損切りルールを決めましょう。
損切りとは、含み損を抱えたポジションを適切なタイミングで決済して損失を確定させることをいいます。
損切りできないと、含み損がかさみロスカットが執行されやすくなります。
証拠金維持率を高水準でキープするには、どのくらい含み損が発生したら損切りするかのルールを決めておくのが重要です。
具体的に、
- マージンコールが発生したら
- ◯pipsの損失がでたら
- ◯円の損失がでたら
など、損切りルールを設定してロスカットを未然に防いでください。
海外FXと国内FXのロスカットの違い
海外FXと国内FXでは、ロスカット水準が異なります。
- 海外FX:証拠金維持率0%〜50%以下を基準にしている
- 国内FX:証拠金維持率50%〜100%以下を基準にしている
ロスカット水準が高いと、多少の含み損でロスカットが執行されるリスクが高くなります。
国内FXのようにロスカット水準が高いと自分の判断でトレードできる裁量が限られるため、海外FXの方が自由なトレードが可能です。
国内FXにゼロカットシステムがない理由
さらに、海外FXとは違って国内FXはゼロカットシステムを採用していません。
そのため有効証拠金以上のマイナスが発生した場合、トレーダーは追証を支払う必要があります。
日本では金融商品取引法で企業が顧客の損失を補填するのは禁止しているため、ゼロカットシステムを採用することができません。
国内FXは高いロスカット水準が設定されているので、余程急激な値動きがない限りはマイナスが発生することはないでしょう。
しかし借金のリスクがある点は注意が必要です。
海外FXのロスカットの強み
海外FXのロスカットは、トレーダーが安全に取引を行うために重要な役割を果たします。
最後に、海外FXのロスカットの強みを解説します。
借金リスク0で取引できる
海外FXには、借金のリスクがありません。
証拠金維持率が一定水準を下回ると発生するロスカットシステムと、有効証拠金がマイナスになった際に業者が追証を補填するゼロカットシステムの2段構えでトレーダーの安全を守っています。
ただ2つのシステムが執行されるのは、あくまでも最終手段。
借金のリスクがないからといって、無計画に大きなトレードを繰り返すのは非常に危険です。
ロスカットにならないように、取引内容を調整しながら安全に海外FXを行いましょう。
稼ぎやすい
海外FXのロスカット水準は、国内FXよりも低く設定されています。
そのため自分の判断で取引できる裁量が多く、多少の含み損は耐えながら取引が可能です。
ハイレバレッジを活用すれば、少ない資金で大きな利益を狙ったトレードもできます。
ただ初心者がいきなり大きな利益を狙うのはリスクが大きいので、まずは高い証拠金維持率をキープしながら取引できるようになりましょう。
慣れてきたら徐々にレバレッジを上げて、大きな利益を狙ったトレードに挑戦してみてください。
海外FXのロスカットは証拠金維持率が鍵!ロスカットを防いで賢く稼ごう
海外FXのロスカットは、トレーダーの資金を守るために重要な役割を果たすシステムです。
ただロスカットはあくまで損切りの最終ラインなので、ロスカットを防いでFX取引ができるようになりましょう。
まずは証拠金維持率を高水準でキープするために、レバレッジを見直したり損切りルールを決めるのがおすすめ。
ロスカットを防いで、海外FXで賢く稼いでください。